憂鬱な恋の忘れ方

憂鬱な恋の忘れ方の表紙画像
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定価 1,870円(本体1,700円+税)
発売
※価格、発売日は紙書籍のものです。
  • 発行形態:単行本
    電子書籍
  • ページ数:256ページ
  • ISBN:9784344046634
  • Cコード:0093
  • 判型:四六判変型
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作品紹介

朝陽が昇る前に、あの人は部屋を出る。
彼女を知りたい。
でも、全部を知ったら、この恋は──

『明け方の若者たち』の著者が描く、
〝一生モノ〟の失恋小説。

就職活動が終わり、時間を持て余していた大学四年生の橘ユウスケは、インターン先で働く青羽ユウコに声を掛けられる。「ユウコとユウスケで二人ともユウだから、きみのこと、ユウくんって呼んでいい?」余裕の笑みから始まった人生最大の片想いは、失恋の形で幕を下ろす。社会人になり、仕事や新たな恋に邁進する橘だったが、新宿の紀伊國屋書店前で当時の上司と再会し、ユウコのSNSアカウントを知る――。

もう一度。いや、何度だって、あの人と。

「1 夜道はぴかぴかの」試し読みはこちらから。

推薦コメント

多部未華子さん

身勝手で、不器用で、一生懸命。傷つき傷つけた先の「恋の忘れ方」が、不思議と腑に落ちました。

Saucy Dog 石原慎也さん

すげえダサかったとしても、それしか見えないって恋もある。
どうしようもない男と、重なり合う愛とエロスに、読んでいてハラハラしました。
現代社会における、飾りじゃないリアルな恋愛って案外こうなのかも。
刺激強め! 勉強になりました!

書店員さんからの感想

私には縁遠い大人な恋愛小説……などと世界観に浸っていたら、中盤辺りから急に生活感の密度が濃いシーンの連続でした。
リアルな世界で、日々起こるままならない現実に翻弄されながら、生きざるを得ない二人。
力強く、しかし脆く。
生きるって常に強くいられるわけではない。
ほんの少しの隙間から広がって行く、奈落の底。
その先を照らす光明をラスト3ページに忍ばせる辺り。
呪いにかかる方法は即ち、呪いを解く方法でもあるのですね。
――貴志明日香さん(けやき書房)

口にして相手の耳に入った言葉は戻らない。
送信して相手が目にした言葉は戻らない。
相手が目の前にいれば、まだ取り繕えるかもしれない。
でも離れていたら……。
勢いに任せて打ち込んだ言葉は、ぽろりと漏れた言葉と違って、届けるかどうか考える時間がある。
それを考える間もなく、もしくは意識とは逆に送ってしまったとしたら、それは、いっぱいいっぱいの本音?
恋人だけじゃなく、友人でも家族でも同じことがいえる。
恋愛ベースでありながら、言葉の重みと、社会問題に思わず触れた作品でした。
――藤井亜希さん(紀伊國屋書店 相模女子大学ブックセンター)

なんて切なすぎる物語なのでしょうか。
まるで、甘美なチョコレートに頬がとろける高揚感とときめきと、一瞬で闇に突き落とされ身体が凍りつくような絶望感と孤独。
その相反する心象が時に重なり、行き来しゆく様子に心のゆらめきが止まりません。
すべての世界が輝いて見える、恋の魔法を感じました。
しかし、夢見心地で浮き立つ気持ちも、いつかは静かに降りていく。
その繊細で脆く不安定な心情が、さざ波のごとく肌に伝わってくるようです。
「恋」とは一体何なのか。
誰かを好きになるとはどういうことなのか。
もし、望まぬ相手の一面を見てしまった時、自分だったらどうするのか。
すぐに答えを出すことができない問いが、目の前に浮かび上がっていきます。
そんな中で、迷いと悩み、葛藤に苛まれ傷つきながらも最後に見つけた本当の心。
そこから生まれた新たな感情に、愛と哀がとけあった気持ちが満ちあふれました。
忘れられない過去の記憶を、未来へ刻み続けていくような永遠のメモワール。
読み終えた後、タイトルの意味が痛切に沁み、大切な愛しさと痛みで胸がしぼられる涙が滲みました。
恋が映し出す光と影、希望と絶望、そして時間という止められない流れの中で、それでも誰かを思い続けることの尊さ。
人間だからこそわき起こる心の機微と鮮やかな喜怒哀楽に魅了される、深いヒューマン小説を拝読させていただき、誠にありがとうございました。
――宗岡敦子さん(紀伊國屋書店 福岡本店)

最低で最悪で残酷で醜くて、でも。
こんなパフォーマンスの悪い恋愛ってない。
それでも途方もなく美しい。
電車の中で読んでしまった。
泣くな俺。
――真田恵一さん(TSUTAYA BOOKSTORE そよら成田ニュータウン)

タイトルから、失恋ものなんだろうなと思っていたけど、想像していたよりも恋愛小説で、等身大の人間が包み隠さず描かれていてリアルだなと思いました。
文字だけなのに最初からユウさんに惹かれていた。それくらいユウさんに対しての熱量のある感情が目いっぱい綴られていて、彼女との生き方をどうか憂鬱な恋にしないで、明るい未来にしてほしいと願いながら途中から読んでいた。ユウさんと過ごしていた描写が間に挟まれるたびに、あの時を思い出している、今じゃなくあの頃を思い出して噛み締めてるんだなと、忘れられないってこういうことだよなと思ったりしました。
伊咲の存在ももちろん大事だし、彼女との生活や関係が一番リアルな姿で、なんとなく目を背けてしまいたいくらいみんな体験したことがあるのでは、と苦い気持ちになりました。もうちょっと小説っぽくあれよって思うくらいリアルでしんどすぎました。わたしも無意識にユウさんを思ってしまった。
ユウさんとまた繋がることができてうれしかったけど、またしんどくて、でも頑張ろうって自分でようやく選べて、これで大丈夫だと思っていたのに、そうだよな、そう上手くいかないよな、とリアルな姿が描かれていてずっと変わらずしんどかった。
共感したまま読んでいたから、苦しいまま読み終えそうになって残りのページ数で震えました。最後に飯塚さんの言葉を聞けてよかった。
忘れない恋をしている人にグサグサ突き刺さる小説でした。この小説をどうしてか好きとは言えないけど、過去を思い出して苦しむような自傷行為が好きな人は読んでほしい一冊です。
――中沢雅さん(くまざわ書店 西新井店)

大人の切ない恋の話だと思っていたら、全く想像していない方向から衝撃をくらった。
みっともないくらい恋愛に振り回されている姿が可愛いな、なんて微笑ましく見ていた前半が違う世界のようになってしまう。胸に石を詰められたかのような重さ。
ユウスケは精一杯やった。精一杯やったからこそ、つらいのか。
――藤田真理子さん(旭屋書店 アトレヴィ大塚店)

愛する人のために、自分は何をどこまで差し出すことができるだろうかと考えさせられた。主人公のユウは、年上の女性との終わった恋に振り回されていて、もし身近にいたら「もうちょっとうまく立ち回ればいいのに」と言いたくなってしまう気がする。
でも、迷って悩んで、時に意地になって、それでも持てるものをすべて捧げようと覚悟を決めて行くユウを途中から心の底から応援していた。
不器用になりふり構わず突き進んで、それでも「めでたしめでたし」で終われなかった恋。忘れられない恋をした日々を抱えながら後悔や寂しさと共に生きることも、きっと豊かな人生だと言えるのだろうと思う。
――塩里依子さん(くまざわ書店 西新井店)

憂鬱超えてドカ鬱。なんて本を書きやがる。
一切の綺麗事を許さない、現実という暴力で膝をつくまで殴られた。そこまで虐めなくてもと言いたくもなるが、きっとこんな悲劇が今日もどこかで起きている。
『夜行秘密』や『ブルーマリッジ』に紛れた絶望とはまた違う絶望を味わった。
――鶴見真緒さん(紀伊國屋書店 武蔵小杉店)

今まで失恋したことない人っているのでしょうか。そんな人でも、この小説を読めば、身体が引き裂かれるような喪失感を痛いほど感じるはず。
何もかも捨てるほど、なんでそこまで惹かれるんだろう? 理屈じゃない恋の疼きは、今ここでこの心を抱えて生きていると、私に教えてくれました。恋の意味なんて分からないけど、恋をしたというそれだけで、生きてきた証なんだと思いました。
――西澤しおりさん(紀伊國屋書店 天王寺ミオ店)

ユウさんとユウくんの物語は、よくある涙のラブストーリーとは少し違います。
若いこと、家族の問題を抱えること、仕事や人生に疲れ果てて燃え尽きること、そして高齢になること。
一人の人間が経験できることには限りがあります。
だからこそ、いつか自分がその出来事に直面したとき、心が壊れてしまわないように、語りかけられているように感じました。
ラストで飯塚さんがユウくんに語った言葉は、前に進むための大切な言葉として、私の心の中の引き出しにそっとしまわれました。
――和田章子さん(水嶋書房 くずはモール店)

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