- 2025.07.19
「ミステリー的な展開」「ロードノベルの楽しみ」「近くにいる大事な人との関係を考える物語」
『妻はりんごを食べない』を楽しむ、3つのポイント!

読み始めたら止まらない! と話題の、瀧羽麻子さんの新刊『妻はりんごを食べない』。
書店員さんからたくさんのコメントが届いていることは、すでにご紹介させていただきました。コメントを読んでいると、楽しみ方の傾向がくっきりと見えてきたので、ぜひお話したい!
この小説の楽しみ方はいろいろなのですが、主に、次の3つのポイントが目立った印象がありました。
🍎まさかのミステリー? 先の見えない展開にドキドキ!
🍎日本各地、登場人物の足跡をたどりながら、ロードノベルとしても充実!
🍎夫婦のこと、家族のこと、愛のこと。あらためて考えさせられた!
もちろん、書店員さんのコメントの中には、この3つのポイントをすべて網羅して下さった方もいます。
例えば……
訪れる土地の風景が浮かび、まるでノンフィクションを読んでいるかのよう。追体験している気持ちになり、ドキドキが止まらない。
不穏なミステリー感が漂う物語は、隠されていた真実が紐解かれていくうちに違った様相を帯びてくる。
主人公は大事な人の秘密を追うことで、自分自身とも向き合っていく。
確かな希望の光に包まれ、人を愛することの尊さを感じた。
読後深い余韻が残る物語。本当に素晴らしい作品でした!
(紀伊國屋書店久留米店/池尻真由美)
唐突に訪れた関係の変化にとまどい、日を追うごとに高まっていく不信と不安、最悪の結末への予感の恐怖はさながらサスペンスのようで、そしてなにより一つの疑問への答えが出て安堵すると同時に、その次の疑問が生じさまざまな答えを追い求める様は、ミステリーそのものだ。
さらには各地の風光明媚な景色や、各地の食などを織り込み、日常と地続きで日々の営みであることを強く意識させる。
感情のジェットコースターを味わわせつつも、言葉で面と向かって伝える大切さを匂わせる抒情と示唆に溢れた作品。
(元・書店員/河野邦広)
夫婦の過去が少しずつ明らかになっていく過程と、旅先の光景とのコントラストが興味深く読めた。
玖美がりんごを食べない理由、共に暮らせない、と語る理由に胸を突かれた。
二人の和解から帰京までが気になり、旅先で結ばれた人々とのつながりがこれからどんなふうに二人の人生を彩るのだろうと、もっと続きの読みたくなる小説だった。
(紀伊國屋書店上智大学店/石澤可菜子)
‥‥と、いった具合です。(すべて敬称略)
こんなふうに、多くの書店員さんが、
複合的に、面白かったポイントを組み合わせてコメントをくださっています。
そのほかにも、
🍎タイトルの意味がわかった瞬間、興奮した!
といったものや、
また面白いことに、
🍎これまでの瀧羽作品と違うので、驚いた!
🍎瀧羽作品らしい、充たされた感じがあった
という意見が、両方届いているのも興味深いことです。
このあと、ポイントごとに、どんなコメントが届いているのか、紹介させていただきます!