日本語の大疑問2

シリーズ :
日本語の大疑問2
日本語の大疑問2
定価1,056円(本体960円+税)
発売日:
※価格、発売日は紙書籍のものです。
  • 発行形態 :新書
    オーディオブック
  • ページ数:248ページ
  • ISBN:9784344987180
  • Cコード:0295
  • 判型:新書判
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作品紹介

ふだん自由自在に扱っている(ように感じる)日本語なのに、一旦気になると疑問は尽きない。
漢字から平仮名を生み出したのはいったい誰?
「稲妻」はなぜ「いなづま」ではなく「いなずま」か?
「1くみ」「花ぐみ」など「組」が濁ったり濁らなかったりする法則とは?
()【】『』といった多くの括弧をどう使い分ける?
ことばのスペシャリスト集団・国立国語研究所が叡智を結集して身近ながらも深遠な謎に挑む、人気シリーズ第2弾。
いたって真面目、かつユーモア溢れる解説で日本語研究の最先端が楽しく学べる!

目次

第1章 若者ことば・話しことばのナゾ 

「上から目線」の「目線」は昔からあることばですか 

もとは戦時中の映画業界用語 
80年代には評判のよくないことばだった 

新しい言葉ってどうやってできるのですか

新しい言葉が生まれる3つの理由 
「もふもふ」「ぴえん」は〝完全に新しい〟珍種 
「早く帰りたいオーラ」と「おいてけぼり」の共通点とは

ファッション誌はなぜ新しいカタカナ語を次々に生み出すのですか

アイコニックなカナージュステッチのキルティングベスト
古い表現や常用外漢字が「逆に新しい」場合も

「1ミリも興味がない」のような言い方は最近の流行りでしょうか

実質的意味が失われた表現 
立場や意志を強く表明する場面で使われる
かつては「1センチも」の時代もあった

早口言葉はなぜ言いにくいのでしょうか

口の中に動かしやすい部位とそうでない部位がありそう 
言い間違いが引き起こされるパターンとは

「旨い旨い」「偉い偉い」と、同じ言葉をわざわざ繰り返すのはどうしてですか

強調説では答えとして物足りない
積極的に会話しようとするときに出現する

「家事」と「火事」の発音を区別する地方があるって本当ですか

「音声」と「音韻」を分けて考えてみる
平安時代の標準語アクセントが各地で変遷した

はっきりと言う/遠回しに言うといった、地域による話し方の違いはありますか

谷崎潤一郎の思う東京人と大阪人の話し方 
東と西では人を起こす言い方が微妙に違う

第2章 どうにもモヤッとすることば

英語では使われない「Go Toトラベル」という表現が日本で使われるのはなぜですか

「旅行するために行く」という奇妙な表現
toと「に」の用法が似ていることが誤解のタネ

「感謝しかありません」はちょっと失礼な言い方ではないでしょうか

「~しかない」に感じるモヤモヤはどこから来るのか 
少ない・小さいことを暗示する場合がある
「~しかない」の持つ「限定」の2つの側面

東北では「山に行く」を「山サ行く」と言うと聞いたので、「いい天気になった」を「いい天気サなった」と言ったら、この場合は「ニ」だと言われたのですが

「サ」は空間的な移動の方向を表す
意味が抽象的になると「サ」より「ニ」が使われがち

日本語を平たく言うアクセントが気になります。誤りではないでしょうか

平板化すると記憶と発音を省エネできる
専門性や仲間意識が際立ち、かっこよく聞こえる

「故障中」という言い方は文法的に間違っているのでしょうか

「文法的に間違っている」とはどういうことか
典型的な用法とずれているが、共通性もある

社外の人に対し上司を呼び捨てにするのは違和感があるのですが

優先順位は〈上下〉関係よりも〈内外(ウチソト)〉関係
臨時に反対方向の言葉遣いをしなければならない

「お世話になっておりますぅ」と、「す」を伸ばすようにして言うのはなぜですか

文末の「す」はふだん母音/u/が省略されがち
「ます」に丁寧さを足す「ますぅ」、親しみを足す「っす」

第3章 文字にまつわるミステリー 

( )【 】『 』など、いろいろな括弧をどう使いわければよいですか

情報を目立たせたいか、目立たせたくないか 
【 】はメールやビジネス文書、( )は注釈やツッコミで活躍 
(丸括弧)には句点「。」をどこにつけるべきか

「やゝ」「人々」の「ゝ」「々」は何と読むのですか

手書きと縦書きの衰退で見かけなくなった「踊り字」 
万葉集にも「何時毛〻〻〻」と使われている

平仮名は誰が作ったのですか

江戸時代までは空海が作ったとされていた
女性が作ったとは考えづらい
平仮名は「消費される文字」だった

辞書に載っていない漢字は間違ったものなのでしょうか

辞書にない漢字のバリエーション 
正誤意識の移ろいに対応しきれていないことも

目と耳の両方に障害がある人は文字が見えず、音も聞こえないなかでどのようにコミュニケーションをとっていますか

障害の重さと生じた時期に応じた手段がある
言外のニュアンスを伝えるさまざまな工夫

第4章 そろそろ決着をつけたい日本語

「稲妻」は「いなずま」ではなく「いなづま」ではないでしょうか

原則として表記に「づ」「ぢ」は使わない 
判断基準は「語構成の明瞭さ」

学校のクラスは「くみ」ですか、「ぐみ」ですか

息子の疑問がSNSで大バズり 
学校の制度が連濁を生み出す?

「ムショ帰り」の「ムショ」は「刑務所」の略ではないというのは本当ですか

「ムショ」は「刑務所」よりも前からあった 
〝語源俗解〟されがちな「スイート・ルーム」

「いちかばちか」は「一か罰か」と書く説もあるのですか

語源は「丁半」なのか「ぴんころがし」なのか
「ぴんからきりまで」「うんともすんとも」はカルタと縁が深い

「結果が出せる」「結果を出せる」のどちらが自然ですか

「が」が自然だが、「を」の傾向が強まっている 
使われない単語は特徴が失われていく

第5章 ことばの歴史を探る 

「めちゃめちゃ」「超」のような俗な強調言葉は昔もあったのですか

程度副詞や陳述副詞による強調 
江戸のくだけた言葉「ほんに」は漱石の頃だと〝馬鹿丁寧〟 
「めちゃめちゃ」もすでに大人びてきている!?

英米ではコンセントと言わないそうですが、この言葉はどこから来たのですか

「同心円構造のプラグ(concentric plug)」が2つに分解された

言葉の地域差は、いつごろから意識されていたのでしょうか

奈良時代の『万葉集』にすでに地域差がある
平安時代は東国方言が見下されていた
東国の江戸言葉が上方言葉の対抗勢力に

現代の高校生が戦国時代にタイムスリップしたら、言葉は通じますか

戦国時代は「古代語」と「近代語」のはざま 
通じない言葉が教えてくれる、日本語の今と昔

船の名前はどうして「丸」が多いのですか

男子の人名「麻呂」が男子の幼名「丸」へと変化 
船に使われた最古の例は『義経記』の「月丸」

古典文法では過去や完了の助動詞がたくさんあるのに、現代語ではなぜ「た」だけなのですか

完了の助動詞の違いがどうでもよくなってゆく経緯
過去の助動詞「き」「けり」の存在理由も次第に薄れた

第6章 外国人学習者がとまどう日本語

日本語の「いいです」は承諾ですか、断りですか

「日本語のあいまいさ」にもいろいろある
承諾と断りではイントネーションが微妙に違う

日本で働く外国籍社員にとって、どんな日本語が難しいですか 

「~しかねる」のような「ない」を使わない否定が難しい
「検討の上で回答します」を信じて待っていたのに……

外国人学習者にも「ら抜き言葉」を教えた方がいいのでしょうか

教えた通りに日本語を学ぶわけではない
「ら抜き言葉」を学習者が使う危険性

外国人学習者に「から」と「ので」の違いをどう教えたらいいですか

「ので」のほうがより丁寧な印象になる
学習者は教科書で先に習う「から」を使いがち
「忙しいだから」と誤用してしまう理由

同じ漢字なのに、日本語と中国語では発音がまったく違うのはなぜですか

日本伝来後、日本でも中国でも発音が変わっていった
台湾語や広東語、上海語は日本と発音が近い

まだ日本語が上手ではない留学生とコミュニケーションを取るコツを教えてください

短い文で、言葉を省略しない言い方をする 
ゆっくりはっきり大きな声で、が不快な場合も

あとがき 

あとがき

 本書は2021年に刊行された前作『日本語の大疑問』の続編です。前作と同様、一般読者が日本語について感じる疑問に、国立国語研究所所員や研究所に関係の深い専門家が回答を試みたものです。

 本書でとりあげられている疑問は大変バラエティに富んでいます。日本語の音声や文法の仕組みに関するもの、社会のなかでの運用に関するもの、歴史的な変化に関するもの、日本語を母語としない学習者とのコミュニケーションの問題など多岐にわたっており、なかには、私など、これまでに考えてみたこともなかったものもあります。

 また、回答のあり方も一様ではありません。日本語学の世界で定説となっている見解を分かりやすく祖述した、いわば啓蒙的な回答がある一方で、担当者も今回はじめて分析したのだろうなと想像されるもの、いわば読者と一緒に考える姿勢のきわだった回答もあります。日本語学において古くからあつかわれてきた問題に関する疑問には啓蒙的な回答が多く、最近になって生じた問題に関する疑問には、読者と一緒に考えようとする回答が多いのは自然な傾向と言えるでしょうが、そのような傾向を超えて、多くの回答に共通している特徴もあります。それは、日本語という言語を世界諸言語のひとつとして、規範意識にしばられることなく、データに基づいて科学的に分析しようとする姿勢です。そして、この姿勢は国立国語研究所の研究活動を特徴づけるものでもあります。

 1948年に創立された当時の国立国語研究所にとって、最大の課題は、現代語の研究方法を確立することでした。当時、日本語(=国語)の研究といえば、文字に記された過去の日本語の研究であり、話しことばやマスメディアにおける現代語の研究はほとんどおこなわれていませんでした。

 創設時の国立国語研究所を支えた若手研究者たちは、確率論と推計論、社会調査、フィールドワーク、テープレコーダー、カード式ソート装置(後に大型電子計算機)など、当時最新の知識と装置を動員することでこの課題に挑みましたが、その前提として必要とされたのが、規範意識からの脱却でした。「正しい」「誤った」という観点から問題を考える前に、まず眼前に広がることばの世界をあるがままに観察して記録に残し、理論的に分析することから、現代語の研究は始めなければならなかったのです。

 国立国語研究所を特徴づけるこの姿勢は、しかし同時に、私どもの研究成果を社会に発信する際に苦心するところでもあります。世上にはことばの正しい使い方や美しい言葉遣いについての指南が溢れていますが、一部の方々には、私どもの研究がそうした審美論的な研究とは一線を画したものであることをなかなか理解していただけないことがあるからです。

 ことばの規範意識に関する分析は本書(そして前作)の随所に顔をだしますが、それはあくまで問題の一要因として言及されているにすぎません。ことばの正しさや美しさに関する審美的判断は、国立国語研究所の活動目的ではありませんし、またそもそも近代的な日本語学や言語学の主要な研究対象であったこともありません。

 私どもの研究は、これまでもこれからも、日本語という一言語がどのような構造をもっているか、母語話者および非母語話者による日本語運用の実態はどのようなものか、日本語は社会的にどのような多様性を内包しており、歴史的にどのように変化してきたかなどの問題を客観的な手法で解明することを目指しています。本書と前作は、そのことを知っていただくための好個の素材になると信じます。

 さて、最後に前作出版の経緯に触れておきましょう。前作は、実を言うと、私どもが自発的に企画したものではありませんでした。幻冬舎の前田香織さんから提案された企画案に目をとおしたとき、私を含めた研究所幹部の反応は「そんな本が売れるのか?」の一言でした。まあ出してくれるというならありがたい、という程度の認識でした。

 しかし、実際に出版されてみると、読者の方から思いがけない大きな反響をいただき、国立国語研究所の出版物が一部の書店で平積みにされるという前代未聞の事態も出来しました。前作がこのように多くの読者に楽しんでいただけたことは、日本語の科学的研究を肯定的に受け止めて、その成果に興味をもってくださる方がわが国の知識層に少なくないことを示しており、私どもには大変心強い発見でした。

 本書もまた多くの読者に受け入れられんことを祈りつつ、あとがきを終えることにします。

 前川喜久雄(国立国語研究所 所長)

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