「小説家になろう」第1位

発売後即重版で
話題の恋愛小説

触れない。見えない。
だからこそ、愛した。
痛々しいほど不器用なふたりの恋。
喪失と再生。絶望と希望。
最後に謎が明かされた時
あなたは涙が止まらない。

作品紹介

“僕は、君にちゃんと傷付けられて、幸せだった”

下関の海岸沿いに立つファッションホテル・ピシナムで働く青年、磯辺逢深は、毎週水曜日に201号室で売春する少女・Rと、客室と受付を繋ぐ気送管を使って密かに、短い手紙のやり取りを始める。
互いに惹かれあうふたりだったが、ある冬の日、Rは忽然と姿を消した――。

「小説家になろう」第1位 (※)2025年12月 文芸(純文学)ランキング
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読者のみなさまから
感動の声、続々

今だから、読んで欲しい。祈りのような作品。
たくさんの方が感想を書いていらっしゃいますが、私もこの作品を本当に愛おしいと感じました。
いま、多くの方が震災の被害に苦しんでいます。その
方々に寄り添う言葉とは行動とは何なのか、その葛藤をわたしの横にそっと置いてくれる。それは攻撃や責めるわけではなくて、作者さんが直接おっしゃってるような何か、部品のような印象を受けました。
読んだ後、抱きしめたくなる作品です。

― hanasuzukuroriさん

読むと心がキュッとなるけどそれが心地よい。繊細な心同士の触れ合いにも満たないやり取りと大自然の残酷さが心に染みる。分からない、超えられない隔たりがもどかしいが、それが人と人かもしれないとも思う。小説だからこそ伝わる機微が極まっていて勉強にもなる。とにかく読んでほしい。

― 筋肉痛さん

絶対に読んでほしい作品。
読み終えたあと、しばらく動けなかった。
気づいたら、本を抱きしめていた。
派手な物語じゃない。
でも、人生のどこかに触れてくる。

― 匿名希望

東日本大震災が起きたあの日、私は吹奏楽部に所属していて海のシンバルの登場人物と同じように練習をしていました。部室のプレハブ小屋が古い建物だったせいでものすごく揺れて。楽器を守るように持って逃げたのをよく覚えています。
だから余計に想像できてしまう外に出ると金冠楽器が鈍く光って良く目立つんです。
このお話を読むとき私にはいつも、想像しかできなくて、どうやったって埋まらないものがあるんだということに気付かされます。
登場人物の誰か一人にでもなれたら、自分の中で終わらせることができるのに、と思うんです。お話が完結しても、私の中では未消化のまま、だからこそ抱えて忘れないように生きなくちゃいけないと思わせてくれる物語でした。

― Yasui Yuさん

初めまして!
各所で本作の噂は聞いてましたが、いざ読んでみると、この独特の世界観に引き込まれました。
磯部さんの淡々としながらも、優しい語り口が良いです!

― 如月文人さん

読ませて頂きました。第1話から読んでとても心にくるお話だと思いました。表現の方法がとても上手で読みやすかったです。震災のことを手紙で話していた時のRがとても辛いのだろうと読んでて想像し、心を動かされました。凄く良いお話でした。

― 五三竜さん

これは、ホテルの話ではないのです。音のない絶唱なのです。
気送管で交わされる、文字のやり取り。
時の流れが凝縮するほどの。
声では送れない、耐え切れない。音のない絶唱。
どうか、後半まで読み進めて欲しい。
20時が、時間を超えて、14:46になる。そこで始まる絶唱を。

― 蒼井シフトさん

覚悟を求められる題材に、心を賭して向き合った5万字程度の中編作品です。
短くまとまった文章から、強烈な圧や意志を感じさせます。
これほど鮮やかに熱情を灯した小説作品はそうありません。
是非、ご覧ください。

― Aiinegruthさん

冒頭のホテルについての記述から引き込まれました。
読み進めるほどに、「本当にあった話か……?」という思いが強くなり、だけどその展開から、「フィクションか……」と納得するような、不思議な感覚の揺れ動きに陥りました。
気分を悪くしないでほしいのですが、夏目漱石『こころ』を思い出すような、一人称視点と「R」の存在。夏風を感じるような全体的な静謐さも大好きです。
素敵な作品を無事出産していただいて、本当によかったと思います。ありがとうございました。

― 畔奈りきさん

理不尽と隣合わせのこの世界で、それでもなんとか平和な生活を送れている自分にできることはなんなのか。そんなことを考えさせられます。
完結作でそこまで長すぎず、割とすぐに読めるかと思います。よくあるWeb小説とは少し違った雰囲気の作品が読みたい方はぜひ。
とても良いものを読ませていただきました、書き手としての自分にも、まだまだ頑張れることはあると、背筋が伸びる気分になりました。ありがとうございました。

― 匿名希望

我々の生きる日本で、静かに紡がれるホテルマンとRの交流。
転生もせずチートもざまぁも能力バトルもなく、悪い敵を倒してめでたしめでたしでもない。ジャンルとしては文芸でしょうか、フィクションとはいえ我々の生きる現
実世界の日本を舞台に、繊細で美しい文章で紡がれる、静かな二人の交流のお話です。ファッションホテルを舞台にしていることもあり、大人向けの表現もそれなりにあります。
我々の記憶にも、程度の差はあれどおそらくは大きく刻まれているであろうある出来事を背景に、リアリティをもって描かれる独特の世界観に引き込まれて一気に読ん
でしまいました。
正直難しい題材・テーマではあると思いますが、それに正面から向き合って書き上げられたのだなと感じました。こう言っては身も蓋もないかもしれませんが、Web小説でアクセスを稼げるタイプの、バズる話とはかなり
毛色が違います。それでも書ききったその覚悟に、伝えたかったであろう想いに、とても心を打たれました。

― 矢賀地進さん

久々原 仁介(くくはら じんすけ)
プロフィール

1996年、山口県下関市生まれ、在住。
詩人であった祖父の影響を受け、幼少期より詩や散文に親しむ。高校より、芥川賞作家・村田喜代子氏に師事。