ダチョウはアホだが役に立つ

ダチョウはアホだが役に立つ
ダチョウはアホだが役に立つ
定価693円(本体630円+税)
発売日:
※価格、発売日は紙書籍のものです。
  • 発行形態 :文庫
  • ページ数:200ページ
  • ISBN:9784344433809
  • Cコード:0195
  • 判型:文庫判
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作品紹介

★★★俳優・萩原利久さんとのダチョウ対談を文庫版に特別収録★★★
ダチョウはまもなく人類を救います! たぶん。
――萩原利久


ダチョウはホンマにアホな鳥。でも地球を救ってくれるんです――。
家族が入れ替わったことにも気づかないほど鈍感力が高いが、卵から取り出す抗体は感染症予防やがん治療、メタンガス削減に役立つとされ、世界中の企業が熱視線を送る。
「ダチョウ博士」と呼ばれる著者が面白すぎる生態から抗体の最新研究までを説く、爆笑必至の科学エッセイ!

●ダチョウってどんな鳥? そのすごさとアホさ
●アメリカ陸軍もダチョウパワーに驚いた
●ダチョウのキック力を甘く見ると大人でも泣かされる
●小4でひらがなが怪しかった塚本少年
●花粉症、歯周病、iPS細胞……抗体利用法は無限大
●恐竜からあまり進化していない面白さ
●絶品の目ン玉を舐めてみてほしい
●研究の前に立ちはだかるダチョウの凶暴さ
●アトピー性皮膚炎の症状がなぜ緩和するのか
●薄毛に悩む方は早めにお試しを
●歓楽街で「夜の獣医」に

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はじめに

ダチョウとつきあい始めて、気がついたらもう27年目。寝ても覚めてもダチョウのことばかり考えています。おかげでついたあだ名は「ダチョウ博士」―― ごっつ光栄です。

ダチョウという鳥はびっくりするほどアホです。重傷を負っても気にしないぐらい鈍感だし、自分の家族は一瞬でわからなくなるし、どれだけ世話しても人間の顔を覚えないし……。
おまけに気が荒くて、何が気に食わんのかようキレる。僕も今までどんだけダチョウに負傷させられたか。将来的にはひざに人工関節を入れなくてはいけないくらいの大ケガもしています。

「それやったら、なんでそんなアホな鳥とずっとつきおうてんねん」とツッコまれそうです。1つには単純にダチョウが好きなんです。
僕は子どもの頃から、超がつくほどの鳥好きでした。ダチョウは鳥の中では世界一大きく、たぶん世界一アホです。世界一は、なんでもカッコええやないですか。

しかしいちばんの理由は、もっと違うところにあります。ダチョウは人間を救う、とんでもないパワーを持ってるんです。
実はダチョウは、めちゃめちゃ僕らの役に立ってくれる。花粉症やアトピーをはじめ、インフルエンザやノロウイルスなど、さまざまな疾患や感染症から人間を守ってくれます。

なんでダチョウにそんなすごいことができるかというと、ダチョウには並外れた免疫力があるからです。無毒化したウイルスをメスに注射すると、ウイルスに対する抗体が体内で猛スピードで作られ、それが卵に送り込まれる。

ダチョウの卵は地球上でいちばん大きいです。そのデカい卵にたっぷり抗体が含まれて産み出されるというわけです。

僕は2006年に、ダチョウの卵から抗体を大量生産する方法を確立しました。その後MERS(中東呼吸器症候群)やエボラ出血熱など、危険な感染症が流行るたび、すぐに抗体を作り、世界各国で感染予防に役立ててきました。
その成果が注目され、今ではアメリカ陸軍の感染症医学研究所や、ハーバード大学の医学部や関連病院とも共同研究をしています。

ダチョウパワーをなるべく手軽に、そして多くの人にお届けしたいという思いから、抗体をマスクに処方する方法も開発しました。マスク以外にも、抗体が入ったスプレーや飴など、誰でも手軽に感染症予防に役立てられる製品を開発しています。

2019年に新型コロナウイルス(COVID -19)のパンデミックが始まると、世界に先駆けて新型コロナウイルスの抗体の精製に成功しました。

さすがダチョウさん、ようやった! 抗体が入った卵が、なんや光り輝いて見えます。疫病退散の神様としてアマビエが注目されましたが、僕なんかダチョウの絵を神棚に飾ったほうが効くんちゃうかと思ってしまいます。
これをダチョウ抗体マスクに配合し、医療関係者をはじめ多くの方に役立ててもらっています。アメリカでは、まだ承認されていませんがダチョウの卵から精製した抗体が治療薬としても使われています。

そんなこともあって近年はテレビなどメディアへの露出が続きました。2020年4月からは京都府立大学の学長にも就任したので、研究、企業との商談、大学の運営、メディア対応……なんやもうわからんぐらいの忙しさです。

それでも取材は可能な限り対応させてもらっています。僕は出演するとどうも〝いじられ〟てしまうことが多いんです。ダチョウを好きすぎるアホなおっさんが珍妙だからか。それともダチョウという間抜けな鳥のキャラクターのせいか――まぁ、どっちもいうことなんでしょうね。

そのことで少しでもダチョウに興味を持ってくれる人が増えて、ダチョウパワーを知ってもらえるなら、多少ツッコまれようが脚が折れようが本望です。

あっ、スンマセン、ちょっぴりウソこいてしまいました。これ以上ケガさせられるんは正直かなわんなと思うてます。

本書を読んで、たくさんの方に少しでもダチョウパワーを知ってもらい、日々の暮らしに役立ててもらいたい。
ついでにダチョウのアホっぷりにほんの少しでも笑ってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。

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